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スリッパに右左なく白鳥来 矢羽野智津子
最初この句を見たときよくわからなかった。右左なくといいつつこだわっているのだろうかと思ったりした。この句が自分の家ではなく、ホテルや旅館のたくさんならべられたスリッパだと思ったとき、全く違う風景が展開したのだ。沢山の人たちがホテルに着いていっせいに並べられたスリッパをはいて行くのだ。まるで白鳥が着水したときみたいに。ここまで飛躍しなくてもいいが、ホテルに着いた安堵感と白鳥の姿がとてもいい感じだ。白鳥も人も喜びに満ちている。それだったら「いっせいにスリッパ履くや白鳥来」になるのだろうか、ちょっとちがうかもしれない。右左にもうちょっと屈折があるのだ。そんなことかんがえなくたって白鳥はきているよみたいな風かもしれない。もっといろんな読みがあるだろうな。
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